希代のコント王を世に出し…加藤茶と志村さんの特別な関係

希代のコント王を世に出し…加藤茶と志村さんの特別な関係

【今週グサッときた名言珍言】

「今でもスッと出てきそうな気がして。あまりにも早かったですよね。たぶん、本人も分かってないと思いますよ、死んだこと」(加藤茶/フジテレビ「志村けんさん追悼特別番組 46年間笑いをありがとう」4月1日放送)

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 急逝したザ・ドリフターズの大スター、志村けんさん。その追悼番組で先輩の加藤茶(77)が「まだね、志村が死んだって信じられないんですよね」と前置きした上で語った言葉を今週は取り上げたい。

 加藤は番組で、ドリフターズのメンバーを代表し、「志村、ひどすぎるぞ、おまえ。一番若いおまえが俺たち差し置いて天国へ行っちゃうなんてな。まだ、俺たちと一緒にやらなきゃならないことがたくさんあっただろう。それを勝手にひとりで先に逝っちゃうなんて、おまえはバカだよ」と始まる弔辞を読み上げた。

 妻の加藤綾菜によると、加藤は追悼番組に出る前までは、志村に弔辞を書くために、いろいろと思い出したりしていたが、番組が終わった後の方がガックリきたようだったという。

「こんなに志村が一生懸命、何十年間やってきたのが、この2時間で終わっちゃうのかと思ったら、もう苦しいって言ってた。あと、本当に志村さんが舞台でコントとかやってくれてるからこそ、ドリフが生き続けてるっていうのもあるし。70歳になって本当に名人の域に達したっていうのは、加トちゃんがすごい言ってて。なのに、こんなに早く志村さんが亡くなったのが、本当に残念でならないっていうのは言ってました」(TBS「サンデー・ジャポン」20年4月5日)

 加藤と志村はドリフの中でも特別な関係性だった。志村が「ボーヤ」時代、1年間ドリフから“家出”をしたことがあった。そんな志村がドリフに戻る際、口利き役になったのが加藤だった。志村はそのまま、加藤の自宅に居候生活をするようになった。ドリフのメンバーの中では年齢も近く話も合ったのだろう。

 荒井注の脱退によって新しいメンバーを入れる際、リーダーのいかりや長介には腹案があった。バンドリーダーでフルバンドを指揮している豊岡豊を入れようとしていたのだ。いかりやと仲が良く、面白い人だったという。

 その人選に対し「長さん、待ってくれ」と止めたのが加藤だった。

「『せっかくなんだから、ウチと一緒に回ってて、作り方も全部知ってるし、考え方も同じヤツって言ったら志村しかいない。志村入れようよ』って言ったのは俺なの。自分もだんだんきつくなってきたから、志村が入ってくれることで広がりができるじゃない? それで長さんに頼み込んで入れてもらった」(テレビ東京「たけしが行く!わがままオヤジ旅3」18年4月14日)

 弔辞は「ドリフの新しいネタでも考えといてくれよ。5人がそっちに全員集合したら、そっちのお客さんを大爆笑させようぜ。約束だぞ」と続き、「大好きな志村よ」と締められた。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)