竹内まりやが、初の紅白ステージで映し出された2枚の写真に込めた思い

引用元:スポーツ報知
竹内まりやが、初の紅白ステージで映し出された2枚の写真に込めた思い

 ついに、やっと、大みそかのNHK紅白歌合戦初出場した竹内まりや(64)。歌ったのは、2008~09年放送の連続テレビ小説「だんだん」の劇中歌「いのちの歌」だ。人と人とのつながり、命の大切さ―。当たり前だが、つい忘れがちなメッセージが澄んだ歌声とともに染みこんでくる。演出にも竹内の思いが詰め込まれていた。歌唱中に流れた「いのちの歌」にまつわる写真の中に、竹内にとって特別な2枚が含まれていた。

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 1枚目は夫でシンガー・ソングライターの山下達郎(66)も写っているもの。意外な形での“夫婦共演”に興奮した人も多いのでは。その写真には山下以外に、もう1人男性が写っている。13年12月30日に亡くなったシンガー・ソングライターの大瀧詠一さん(享年65)だ。日本語ロックの元祖とされるバンド「はっぴいえんど」のメンバーとしてデビュー。「想い出はモノクローム 色を点けてくれ」と、爽やかでちょっぴり切ない歌詞とメロディーで長年親しまれている名曲「君は天然色」などで知られる。

 山下は1975年に大貫妙子(66)らとバンド「シュガー・ベイブ」を結成。アルバム「SONGS」を山下と大瀧さんが共同プロデュースした仲だ。竹内自身も67年にフランク・シナトラが娘、ナンシー・シナトラと歌って全米ナンバーワンを記録した「恋のひとこと」を大瀧さんとデュエット。竹内のアルバム「Longtime Favorites」(03年)に収録された。

 記者は昨年9月、紅白の会場でもあるNHKホールで開催された山下のライブに行った。その際、山下は大瀧さんと「似ていた」と回顧。大瀧さんが岩手生まれ、自身の母親が仙台で親戚が岩手にいることから「どこかで血縁関係があったんじゃないかと思うことがあった」としみじみ話していた。さらに「日本で大瀧詠一さんの歌を歌えるのは、私しかいません」と、「君は天然色」を熱唱する姿に山下の深い尊敬の念を感じた。

 昨年12月30日に大瀧さんの七回忌を迎えた。その翌日、紅白で3ショットを流した竹内と、名曲を歌い継いでいる山下。夫婦は大瀧さんとの思い出に鮮やかな色をつけ続けている。

 2枚目は86年に亡くなった岡田有希子さん(享年18)と竹内の2ショット。岡田さんは、83年3月に日本テレビ系「スター誕生!」第46回決戦大会で優勝し芸能界入り。彼女のデビュー曲「ファースト・デイト」、代表曲「憧れ」などの作詞・作曲を竹内が手がけた。岡田さんは新人賞を総なめにし、“ポスト松田聖子”と呼ばれていたが、86年4月に自ら命を絶った。

 竹内にとって岡田さんは一番楽曲を提供した特別な存在。2019年にデビュー40周年記念ベストアルバム「Turntable」で、「ファースト・デイト」をセルフカバーし、収録した。実は同アルバム発売を最初に告知した際、全62曲のうちわずか9曲しか発表しなかった。ファンのワクワク感を駆り立てる狙いだったかもしれないが、その発表した9曲のうち3曲が岡田さんに提供した楽曲だった。初めに発表するほど、竹内の音楽生活40周年の中で岡田さんは欠かせない人だったと言えるだろう。

 「出会ったこと笑ったこと そのすべてにありがとう」などと、竹内は歌詞の字幕を直筆。天国へ旅立った同志と一緒に立った令和元年大みそかの大舞台。尊敬や感謝―。今となっては直接言えない思いを歌にのせ、日本中、空に届けと言わんばかりに歌い上げた。(記者コラム) 報知新聞社